写真は「真実を写す」と書きます。
しかし英語では「photograph」と書き、日本語で「光を描く」という意味です。
「真実を写す」か「光を描く」か、どちらが正しいのかと言えば、僕は後者が正しいと思っており、それは真実を写せないケースは多々あるからです。
また、目とカメラの性能を比べた事もありますが、どちらも一長一短で比べる事すらナンセンスでした。
写真には以下のような写真にしかできない表現というのが存在します。
- 露出(明るさ)の変更
- ボケ
- ブレ
- レンズの交換
「見たままに写す」というのも面白いですが、せっかく写真を撮るなら、写真にしかできない表現を楽しんでみましょう。
露出(明るさ)を変える
目は自動で脳がコントロールしており、瞳孔(絞り)の広さや、暗所での感度を意図的に調節する事はできません。
この明るさをコントロールできるのが写真です。
例えば星空の撮影において、露出を明るく設定する事で、人には見えない星まで写真に写す事が可能です。
そもそもカメラの明るさの判断方法というのは正確ではなく、写真全体の明暗やスポットでの明るさで判断しています。
全てをカメラ任せに撮影したとしても、それが見たままの明るさにはならないのです。
写真の明るさは撮影者自身が調節をする必要があります。
カメラって色々な機能があって凄いんだけど、意外と抜けてるお馬鹿さんだからね。
シルエットで写す
ヒトの目の器用な仕組みと言えばもう1つ。目は明るい部分を暗く、暗い部分を明るく見せるという奇妙な能力を持っています。
逆にカメラには一度に写せる明るさの範囲が決まっており、今は目に追いつこうと頑張っている真っ只中です。
このデメリットを逆手に取った写真が夕暮れの写真でよく見るシルエットの写真です。
露出を暗くする事で、夕焼けはハッキリとしたオレンジ色になり、影が真っ暗に写ります。
描写を変える
ボケを作る
写真を始めるとみんな一度はやりたくなるボケ。主に主題と副題を分け、主題を際立たせる効果があります。
ボケを作る方法は、下記のポイントを覚えておくだけでOKです。
- 絞りを開放
- 被写体の近くに寄る
- 被写体と背景の距離を離す
初心者ほど写真をボカしたがる。統計は無いが。
写し止める
当たり前と言えば当たり前なのですが、写真は基本的に綺麗に止まった写真が求められます。
人の目はブレて見えるものではないので、ピタッと止まった写真に需要が出るのは当然の事です。
しかし、野球のボールがバットに当たった瞬間を目視できないように、目の捉えられる速度には限界があります。
カメラのシャッタスピードは人の目を超えており、目では捉えられない、運動会で蹴り上げる小石、鳥の羽ばたき、滝の水飛沫まで写し止める事が可能です。
軌跡を残す
写真において「写し止める」というのは当たり前ですが、カメラが登場した当初は、レンズも存在しなかったため、写真はブレるのが当たり前でした。
しかしこのブレでもきちんと利用すれば立派な表現です。
三脚に据えれば、滝は糸のように流れ、花火は軌跡を描きます。
更にカメラを三脚から離し、カメラで被写体を追いかければ流し撮りというテクニックに発展します。
流し撮りが上手い人は上級者。統計は無いが。
視野角を超える
カメラの面白さと言えばレンズによる写りの変化でしょうか。
広角でダイナミックに。望遠で圧縮して。
レンズを交換する事で、人の目の領域を超えた範囲まで描写できるのはカメラの特権です。
望遠で鳥を撮る時の“狙ってる感”がまた良いよね。
マクロで拡大する
もう一つ忘れてはいけない撮影方法がマクロ撮影です。
被写体を大きく写せるマクロレンズを使うと、異次元のような写真が撮れます。
昆虫マクロなんて目に見えない世界の典型。
色を変える
最後に紹介する方法が写真の「色を変える」という事。
カメラの内部の機能でいう、ホワイトバランスの変更です。
デジタル以前のフィルムの頃は、カメラにフィルターを取り付けてホワイトバランスを調節していました。
ホワイトバランス以外にもグリーンやレッドのカラーフィルター、人工灯の明かりをカットする光害除去フィルターなど、フィルターの種類は多岐に渡ります。