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写真の編集を始めようとすると出てくる「RAW現像」と「レタッチ」という単語。
RAW現像とレタッチは大まかには似ている部分が多いので、明確な違いまで分からないという人も多いのではないでしょうか。
特にソフトを選んでいる途中だと、「どっちのソフトが良いの?」という不安や疑問もあるかと思います。
この記事ではそんな悩みを解決するために、このようなポイントについて解説していきたいと思います。
まずはRAW現像ソフトとして有名なLightroomと、レタッチソフトとして有名なPhotoshopを例に解説しましょう。
LightroomはRAW現像ソフトであり、名前の通りRAWデータを編集する事ができます。
RAW現像とはカメラをRAWというデータ量が豊富な方法で保存し、このデータを編集する作業です。
一方Photoshopはレタッチのソフトであり、主にJpegやGifを含む画像編集全般に向けて作られています。
画像編集ソフトであるPhotoshopでは通常、RAWデータを開くことはできません。
そこでPhotoshopでRAWデータを開くために、CameraRAWという無料のプラグインをインストールします。
この点からPhotoshopはRAW現像のために作られたソフトではない事が分かると思います。
LightroomとPhotoshopで開けるデータに違いがあるものの、補正の項目については露出や彩度など同じ項目もあります。
同じ部分があるので、厳密な境界線は難しいのですが、まず1つの答えとして、RAW現像とレタッチにはっきりとした境界線はありません。
画像編集には多くの項目があるため、人によって若干の意見の違いが出ています。
そこで、この記事で紹介するRAW現像とレタッチの違いは僕自身の認識の話です。
レタッチとは日本語で「加筆・修正」という意味で、写真におけるフォトレタッチというと、写真編集全般を指します。
例えばこんな作業もレタッチの一部です。
レタッチメイキング https://t.co/XBVoxdIEps pic.twitter.com/oCmjTBal67
— 大谷キミト/レタッチャー/ビジュアルデザイナー / Photoshop (@niepce356) March 3, 2021
これは有名なレタッチャーの大谷キミト氏のツイートです。
レタッチは仕事にできるほどに、幅広く専門的な知識が必要です。
フォトレタッチはあまりに扱う範囲が広く、「露出」「彩度」など、一般的な編集項目の他に、以下のような作業も含まれてきます。
細かい所を突けば色々とグレーな部分もあるのですが、大雑把にはこのような項目がフォトレタッチでよく使います。
RAW現像というのは、フォトレタッチの一部といった認識で問題ないでしょう。
一部の機能というのは、以下の3つです。
RAWデータを開いて上記の設定を反映する事をRAW現像と呼びます。
この3項目を上げたのにはもちろん理由があり、これらの補正は写真がデジタルになる以前からできた事です。
つまり僕はデジタル以前からできていた補正とその延長がRAW現像という認識です。
フィルム時代の写真の加工については、こちらの記事で詳しく解説しています。
RAW現像ソフトとして名高いLightroomや、その他のRAW現像ソフトも含めて「RAW現像“だけ“できるソフト」かと言うと答えはNoです。
RAW現像ソフトの中には、コピースタンプ(センサーダストの除去)や透かし文字の挿入などのレタッチ機能が含まれています。
これらはレタッチの機能であり、正確にはRAW現像の機能ではありません。
つまり、「RAW現像ソフトはレタッチもできる」と言うのが正しい答えになります。
最近のRAW現像ソフトのアップデート状況を見ていると、レタッチ方面の機能が多く追加されています。
例えばLightroomはコピースタンプでセンサーダストを除去していましたが、アップデートによりスポット修正(解析して修正)が追加。
LightroomはPhotoshopからの技術の流入が多いです。
また、AI補正をウリにしているLuminarは、
上記のような機能が備えわっています。
もう1つ忘れてはいけない機能が、RAW現像ソフトの写真の管理機能です。
RAW現像ソフトには写真の管理機能が付いており、写真の管理と編集作業が1つのソフトで完結します。
管理機能も申し分なく、フラグやレーティング、カラーラベルなどメーカー純正の写真管理ソフトにも劣らない管理機能が備わっています。
レタッチソフト単体では写真の管理はできません。
やっぱり餅は餅屋
気をつけるべきは、RAW現像でもレタッチでも、未境なく編集してしまうケースです。
写真はデジタルになった事で、RAWデータが登場し、RAWデータには多くの情報が残っている事から、写真編集の自由度はフィルムよりかなり広がっています。
編集の領域が写真編集から外れるようなら、それは写真では無くなってしまいます。
自由にできるからと言って、何でもやっていいわけではありません。
人を騙すような写真はダメ。故意じゃなくてもね。
ここまでRAW現像とレタッチの違いについて解説してきましたが、どちらかを選ぶなら写真用途ならRAW現像ソフトがオススメです。
RAW現像ソフトにレタッチ機能が増えている現状を見れば分かるようにより、どのRAW現像ソフトもRAW現像の機能は十分に備わっています。
RAW現像ソフトはレタッチソフトより機能が少ないぶん、写真編集にフォーカスして作られており、レタッチソフトより使いやすいです。
RAW現像ソフトで作業が完結する事は事実なのですが、稀にRAW現像ソフトではできない(苦手な)作業があります。
このような時にPhotoshopなどのレタッチソフトを使えば、レタッチソフトの覚えるポイントも最小限で済みます。
また、LightroomとPhotoshopは同じAdobeのソフトだけあり親和性も高く、Lightroomから写真を選んでPhotoshopを起動する事も可能です。
RAW現像ソフトはLightroomだけではなく、よりレタッチ機能が豊富なLuminarやSILKYPIXなどもあります。
これらの紹介したRAW現像ソフトについては以下の記事にてまとめてあるので、こちらをどうぞ。
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