このカメラで手持ちで夜景撮れる?という質問に答えられない理由

ブログをやっていると、どんな人がどんな単語で検索してきたのかがある程度わかります。
そんな中で時々出てくるのが「α7II 手持ち夜景」といった「カメラ+手持ち夜景」の組み合わせです。

確かに夜景ではカメラ本体の性能も重要ですが、レンズの性能も重要です。
できるなら「このカメラなら手持ち夜景撮れますよ」と言いたいのですが、レンズの性能によっても手持ち夜景が撮れるかは変わってきます。

つまりカメラの性能だけで手持ちで夜景が撮れるかは判断ができません

なぜ判断できないのか。以下から詳しく説明していきます。

手持ちで夜景を撮るには

カメラの性能だけで手持ち夜景が撮れるか判断ができない と書きました。
しかし実はカメラだけでも手持ち夜景は撮れます。

カメラにあるISO感度を上げます。マジで上げまくります。
それだけで手持ちの夜景は撮れます。

こんな感じでね

スマートフォンだとちょっと分かりにくいかもしれないので少し拡大した物を。

ISO感度を上げると、カメラが受けた光の情報を電気の力で無理矢理明るくします。しかしISO感度は電子ノイズまで増幅してしまうので、上の画像のようにザラザラした質感に仕上がってしまいます。

「味」と言えば聞こえはいいかもしれませんが、一般的にはノイズの少ない写真が良いと言われています。
ISO感度によるノイズの量はカメラの性能によるものなので、「このカメラで手持ちで夜景撮れますか?」という質問に関しては、カメラのISO感度で答える事になります。

しかしノイズの量はプリントする写真のサイズが大きくなれば目立ちますし、小さければ目立ちません。
ノイズの許容範囲も人それぞれなので、ISO感度に関しては訊かれても答えが難しい というのが本音です。

夜景などの暗い場所での撮影はいかにISO感度を下げるかが重量になってきます。
そしてISO感度を下げるために必要なのがレンズの性能です。

ISO感度を下げる方法と、なぜそれが相談されても答えられないのかを以下から詳しく解説していきます。

F値が低いレンズにする

F値はレンズを購入する時に一番重要と言っても過言ではない項目の一つです。

F値は低ければ低いほど、取り入れる光の量が多くなります。
つまりF値が低いレンズにすれば「取り入れる光が多い=ISO感度を下げられる」という事になります。

手持ちの夜景ではF1.8やF1.2などのF値の低いレンズを使うのが基本です。
カメラに付いてくる純正レンズはF3.5くらいのレンズが多く、これくらいでは手持ちで夜景を撮るには不十分です。

そしてどんなF値のレンズを使うかは私には分からないのでアドバイスができません。

絞って使う事もある

手持ちの夜景はF値を下げて取り入れる光を多くするのが基本ですが、F値を上げて(絞って)撮影すると下の画像のように光芒を出す事ができます

また夜景を背景に記念撮影をする時はF値が低いままだと、背景がボケてしまいます。
そういう場合はF値を上げる事で全体にピントを合わせる事ができます。

光芒を出したい時や、背景をボカさずに記念撮影をする時はF値を上げるので、取り入れる光の量は減ってしまい、手持ちでの夜景は困難になってきます。

シャッタースピードを伸ばす

F値で取り入れる光の量が増やせたなら、今度はシャッタースピードです。
シャッタースピードは名前の通り光を取り入れる時間です。

シャッタースピードを短くすれば、光を取り入れる時間は短くなり、シャッタースピードを長くすれば、光を取り入れる時間が長くできます。
光を取り入れる時間を長くすれば、そのぶんISO感度を下げる事ができます

しかしシャッタースピードを伸ばして手持ちで夜景を撮ると、今度は手ブレといって画像がブレてしまう事があります。一秒間も微動だにしない なんて動物には不可能です。

「じゃあどれくらいのシャッタースピードが目安なの?」と気になるかもしれませんが、こちらもレンズによって異なります。シャッタースピードでもレンズが重要になってくるんですね。

レンズが広角になれば手ブレは目立ちにくくなり、望遠になれば手ブレが目立ってきます。
具体的には[1/焦点距離]秒が、手で持ってギリギリで手ブレしないと言われています。しかしあくまで目安なので個人差もあります。
焦点距離はレンズにも書いてありますが、カメラ本体にも搭載されるイメージセンサー(映像素子)の大きさによっても違ってきます。

一般的な入門モデルはAPS-Cというセンサーサイズで焦点距離×1.5倍します。
50mmのレンズをAPS-Cのレンズに取り付けたなら、75mmのレンズのように写るので、シャッタースピードは1/75秒くらいが目安になってきます。

オリンパスとパナソニックの採用するマイクロフォーサーズは焦点距離×2倍します。
50mmのレンズをマイクロフォーサーズに取り付けたなら100mmのレンズのように写るので、シャッタースピードは1/100秒が目安という事になります。

35mmフルサイズはそのままです。
50mmのレンズなら1/50秒が目安です。

どんな焦点距離で、どのイメージセンサーで撮影するか分からないのでアドバイスができません。

レンズには手ブレ補正もある

最近のレンズの多くのレンズには手ブレ補正と呼ばれる手ブレを軽減させる機能が備わっています。

レンズのスペックを見ると手ブレ補正○○段と書いてあったりします。
例えば1段なら50mmのレンズなら半分の1/25秒、2段なら更に半分の1/13秒まで手ブレを抑えてくれます。

こちらもカメラによって搭載されていないレンズもありますし、手ブレ補正の効き具合いもレンズによって違ってきます。

まとめ

「カメラ+手持ち夜景」という検索に対して答えられない理由をまとめてみましたが、いかがでしたか?

手持ち夜景ではカメラの性能も重要ですが、レンズのF値や焦点距離も重要なポイントになってくるので、これで撮れますか?と訊かれてもアドバイスが難しいです。

補足ですが、今のカメラのISO感度の性能ではプロが使うカメラを持ってしても、絞って光芒を出しつつ手持ちで撮影というのはまだまだ不可能です。

しっかりと自分のカメラとレンズの性能との相談が必要です。

最後に少しだけ手持ちで夜景を撮影する設定も紹介しておきます。

手持ち夜景を撮影する時の設定

カメラの設定をマニュアルにします。ほとんどのカメラで「M」と書かれているモードです。
この設定にすれば全ての設定を自分で変更する事ができます。

まず絞りから。
前述した通り解放(一番低いF値)一択です。光芒を出したいと思うかもしれませんが、まずは今の状況で最適な状態を見極めるために解放にしましょう。

そしてシャッタースピード。
こちらも前述した通り。自分のカメラのセンサーとレンズの焦点距離から、シャッタースピードを算出しましょう。

最後にISO感度。
まずは低い所から徐々に上げていきます。
カメラの背面モニターを確認すると、仕上がりがどのような写真になるか確認できます。
自分の思う明るさになればそこで設定終了です。

一旦シャッターを押して出来上がった写真を確認してみましょう。
この時点でノイズが気になるなら、そのカメラとレンズでの手持ち撮影では能力の限界です。
手ブレ補正がよく効くレンズならもう少しシャッタースピードを伸ばしてもいいかもしれません。

やっぱり三脚が最強

手持ち夜景について話ましたが、夜景の撮影は三脚が一番です。
ISO感度を下げても光芒を出すためにF値を上げても、手ブレと無縁なのでいくらでもシャッタースピードが伸ばせます。

シャッタースピードが伸ばせる=ISO感度を上げる必要がない という事なので、画質が良い状態で写真を撮る事ができます。

F値の低いレンズは高価なレンズも多いですし、色々な汎用性を考えると三脚は持っておいた方がいい周辺機器の一つです。

手持ちで無理矢理夜景を撮るより、三脚を持って撮影した夜景の方が絶対に綺麗に写ります
その事をお忘れなく!

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