第8話:ワガママ姫とISO感度|プリンセスと暗闇の灯

ISO(イソ/アイエスオー)感度とは、イメージセンサーが受けた光を、電気信号としてどれだけ増幅させるかを示す数値です。

絞りやシャッタースピードが「物理的」に光を取り入れる量を調節するのに対し、ISO感度は「電気的」に増幅します。

「光を失うと、繊細な彼女の心は細かく震え始める。
 無理をして震えていては、せっかくの綺麗な顔が台無しだよ。
 ほら。手を差し出してごらん」

ISO感度は低いほど高画質

絞り(F値)は「ボケ具合」、シャッタースピードは「動きの表現」をコントロールしますが、ISO感度はそのような「見た目を劇的に変える効果」はありません。

そのため、露出コントロールの原則として「ISO感度は低ければ低いほど良い」とされています。

ISO100を基準とし、可能な限り低い数値で撮影するのが高画質への最短距離です。

ISO感度を上げるとノイズが出る

なぜ「ISO感度は低い方が高画質」なのか。それは、ISO感度を上げることは電気信号を無理やり増幅するからです。

その過程で、不要な電気信号の乱れ(ノイズ)が発生します。

ISO感度を上げる行為は、明るさを得る代わりに、画質という対価を支払うトレードオフの関係にあります。

  • ISO100~800:
    • ノイズが少ない
    • ディテールまでクッキリと写る(高解像)
  • ISO1600~3200:
    • ノイズが出てくる
    • モニターや印刷環境でノイズが見えてくる
  • 高感度(機種によって変わる):
    • ノイズが多い
    • 本来の色味や繊細な質感が失われる

画質よりも大切なこと

理想は常にISO100ですが、現実はそう甘くありません。

  • 高速シャッタースピードで、一瞬を描写する
  • 絞り込んで、隅々まで解像させたい

こうした表現上の要求によって物理的な光量が不足したとき、最後に頼るのがISO感度です。

画質の低下を許容してでも、求める描写を成立させるために感度を上げる。

それは、設定した絞りやシャッタースピードを維持し、意図した通りの一枚を確実に残すために必要な判断です。

ISO感度と光量の関係

絞りにはAモード、シャッタースピードにはS(Tv)モードがありますが、ISO感度を優先する撮影モードはありません

撮影モードに合わせて、ISO感度を固定して残りの要素で露出を調整するか、ISO感度をオートにして残りの要素と組み合わせて調整するか、という形になります。

現代のカメラはISOオートが優秀です。ISOオートを使うと、撮影モードに応じて不足する光量を自動で補えます。

注意点として、過剰なISO感度に上がらないように、上限が6400程度に設定されているか確認しておきましょう。

ノイズの許容範囲を考える

ISO感度は、光が足りないときに、意図した表現を確実に残すための最後の手段です。

ISO感度は基本的に低い方が高画質ですが、光量が不足して表現したい一瞬を撮れない場合は、画質の低下を許容してISO感度を上げる判断も必要です。

重要なのは、「撮れること」を最優先に考えること。画質を守ろうとしてブレた写真になっては、本末転倒です。

  • オートの上限を下げる
  • 絞りを開く
  • シャッタースピードを伸ばす

ノイズが気になるのなら、状況に応じて設定を見直し、画質との折り合いを考えましょう。

「ほら、部屋まで着いたよ。
 外はまだ暗いけれど、ボクがいる。
 もう、震える必要はないんだ」
Next Invitation

舞踏会の煌めきに、彼女は世界で最も美しい。
光、動き、表情――三つの要素が揃うとき、
プリンセスは誰よりも輝く。

第9話:ワガママ姫と露出の三要素|彼女を輝かせるための三重奏(アンサンブル)

僕とワガママプリンセス

「理屈」を「愛」に変える、10のレッスン

Pro

ワガママ姫と撮影エラー

L 1

ワガママ姫と最初の1枚

L 2

ワガママ姫と露出補正

L 3

ワガママ姫とオートフォーカス

L 4

ワガママ姫と焦点距離

L 5

ワガママ姫と撮影モード

L 6

ワガママ姫と絞り

L 7

ワガママ姫とシャッタースピード

L 8

ワガママ姫とISO感度

L 9

ワガママ姫と露出の三要素

L10

ワガママ姫とマニュアル露出(準備中)

Epi

ワガママ姫とRAW現像(準備中)

いいから、カメラ持って外行こうぜ!

俺のデジモノ手記


01 思考の章

写真は、楽しければ良い


02 技術の章

カメラで、遊ぶ


03 表現の章

「誰か」の真似は、もう終わり


04 結実の章

今の僕の答え


付録

使用機材とカメラ設定