「この風景綺麗だな」と思ってカメラを構えてみると
「あれ?なんだか思ってる風景と写りが違う」
そんな経験はありませんか?
今回は「目」と「カメラ」の違いについて。
わかりやすい例として暗闇にいる時、人は暗さに慣れますが、カメラは暗さに慣れる事はありません。
カメラを始めてみると、「人の目がいかに優れているか」という事がよく分かります。
そんな違いをいくつか紹介していきます。
人の目のココがすごい!
変化する画角
目は通常約50mmの画角と言われています。
しかし常に50mmというわけではありません。
数秒前に見た風景を記憶する事で広角に見えたり、注視する事で望遠レンズのように見たりする事もできます。
注視する事で300mm相当の望遠までできるんだとか。
夕日が綺麗だと思ってカメラを向けると「なんだか夕日が小さく感じる」
そんな事があっても全く不思議ではありません。
50mmで撮影
300mmで撮影

ハイダイナミックレンジ
ハイダイナミックレンジという言葉を知っていますか?
HDRと言った方が写真の用語としては一般的かもしれません。
ハイダイナミックレンジとは明暗差の事で、人の目はダイナミックレンジに優れており、カメラはまだ追いつけていない分野の一つです。
カメラで明暗差を無くすためには明るさの異なる写真を合成(HDR合成)する事で人の目に近い写真にできます。


HDR合成と露出±0
HDR合成ソフトはいくつかありますが、僕はAurora HDRというソフトを使っています。

目にはクセが無い
メリットかデメリットかは微妙な所ですが、レンズには個性があります。
最近のレンズは性能が上がっていますが、やはり複数枚のレンズを通すカメラのレンズは途中で色が失われたりして写りが変わってきます。
レンズの個性を楽しむ事もカメラの魅力の一つなので、デメリットというわけではありません。
グルグルボケが特徴のHelios-44-2

目にはできないカメラの良い所
狭いダイナミックレンジを活かす
カメラは人の目よりダイナミックレンジは劣ります。
しかし劣っていても生かせばメリットです。
例えば下の画像のようなシルエットの写真。
ダイナミックレンジに優れる肉眼ではこのように見る事はできません。
まさにカメラ独自の世界と言えるでしょう。
夕日をバックにシルエットで写す
ボケのコントロール
みんなやりたくなるコレ!
被写体が際立つので主題と副題を分ける事ができます。
ボカす事で被写体が際立つ
長時間露光
こちらもお馴染みですね。
車のライトを軌跡にして写したり、滝を糸のように写したりできます。
アングルを変える
超簡単技法です。
普段地面スレスレで風景を見ることなんてなかなかありません。
簡単に日常と違う風景が撮影できます。
まとめ
カメラと目はどうしても壁が存在します。
しかしカメラにしか見えない世界も存在します。
そういった写真を撮るには「カメラならどう見えているか」という想像力が必要になってきます。
最初は難しいかもしれませんが、「とりあえず試してみる」事も大切だと思います。
「カメラならこんな物が撮れるのか」といった驚きもまた写真の面白さです。