僕を含め、多くの人が日常や旅行先の記録としてカメラを購入したと思います。
日常や旅行といえば、撮影のジャンルとしてはスナップ写真が該当し、スナップ写真には写真の面白さの基本が詰まっています。
ここからスナップを撮り続ける人も多いと思いますが、僕は色々なジャンルに手を出していきました。
そんな中で今は夏は虫のマクロ撮影で、冬は野鳥。時々、気分転換にスナップを楽しんでいます。
写真を始めた当初は、虫は苦手だし、野鳥にも興味はありませんでしたが、撮れた被写体を調べてみると不思議と興味が湧いてくるものです。
つまり、興味がなくても撮ってみないとわからない!という事は僕の経験から断言できます。
そんな色々な被写体に挑戦してきた僕の経験から、各撮影ジャンルの特徴や面白さ、撮らなくなった理由などを紹介していきたいと思います。
光を探すスナップ写真
都市スナップからネイチャースナップ、旅スナップなど、ロケーションに囚われる事なく、多くの写真初心者の入り口である撮影ジャンルがスナップです。
狩りの早撃ちであるスナップショットという言葉に由来し、とある写真に対して評論家が「スナップショットのよう」と評したところ、このスナップという言葉が広がり、定着したと言われています。
スナップ写真では綺麗な光を発見し、綺麗に収めて撮影することが重要で、初心者から上級者まで多くの人が楽しんでいるジャンルです。
スナップはいつ撮っても楽しい。
発見した光にモデルを配置するロケーションポートレート
「写真を撮って人に喜んでもらいたい!」と思って初めてみたジャンルです。
撮った写真でダイレクトに喜んでもらえるのは嬉しいですが、相手が居るのでスナップのようにのんびりと光を探している時間はありません。
モデルの気持ち、ポージング、光探し、構図、撮影枚数。相手がいるだけで色々なプレッシャーが降り注ぎます。
相手がプロのモデルならまだしも、撮影に慣れていない一般人を相手に、クオリティの高い写真を提供するのは、なかなか難しいです。
そもそもこちらも素人。そんな素人相手にわざわざ時間を割いてくれるモデルを探すのも大変。
動物を探す
日本国内では北海道が自然豊かで、エゾリスやシマエナガなど固有の生物も多く有利なイメージがあります。
北海道より南の動物撮影と言えば野鳥が主なターゲットです。
自然環境が豊かな方が有利という点は当然ですが、鳥の種類によっては都心部の方が人に慣れているので、近くから撮影できる事も。
僕は山口県の田舎に住んでいますが、森の中に入っても簡単には珍しい野鳥には会えません。
動物園の写真も楽しいぞ。
動物写真家のイベントに参加した時の話
虫、昆虫を探す
虫は探せばどこにでも居るので、手軽さから初めてみました。
体感ですが、農薬や化学肥料を使って綺麗に花を咲かせている公園よりも、手入れがされていない自然公園の方が虫は多めです。
マクロ域になると、絞ってもピントの範囲は数ミリ。そんな撮影環境で動く虫をバシッと撮れた時の達成感がたまりません。
残念ながら、冬に入ると撮れる虫が一気に減るのでシーズンオフです。
シャッターチャンスは多いけど、撮影は難しい
光を予測する風景写真
スナップで訪れた自然公園から綺麗な自然に魅了され、風景写真に手を出しました。
スナップ写真との違いは、スナップでは綺麗な光を探す事が重要でしたが、風景写真は綺麗な光を予測し、準備の段階でゴールがほぼ見えている事が大きな特徴です。
夕日が綺麗な時間、虹が出るタイミング、桜や紅葉の綺麗な時期。どんな被写体でも時間や時期のピークは一瞬で過ぎ去ります。
ピークの短さに加えて天候の良し悪しが重なってくるため、大切な時期を逃さないスキルが風景撮影では最も重要です。
難易度が高い上に予想を外した場合のリスクも大きいですが、思い通りの写真が撮れた時の達成感は、どの撮影ジャンルより大きいでしょう。
ざっくり言うとめっちゃ難しい。シャッターチャンスを待つ根気も必要。
星空のベストポジションを考える夜空、星空
風景とほぼ同時にスタートしたジャンルが夜空や星空の撮影です。
撮影の条件として空が開けていて、天候が良く、光害が無い事。条件さえ揃っていれば、あとはカメラの自動露出があるので、星空を撮るだけならとても簡単です。
ここに主題や副題をどう入れ、どう見せるかが腕の見せ所になってきます。
本格的な人は昼から三脚やカメラをセットして、撮影する星や星座を決めています。
星空スポットを回ったけど、撮れる写真は人と似た写真ばかり。
風景に乗り物を配置する
乗り物というだけでも、電車、新幹線、SL、飛行機など様々で、僕はSLを撮る父親に同行してチャレンジしてみました。
風景写真と同様に、乗り物が身近にある人が有利で、飛行機を撮る場合は近くに空港がある人が有利ですし、SLを撮る場合はSLが通る線路が近い人が有利です。
SLに関しては、わざわざ東京から山口まで飛行機で訪れて撮影する人もいるそうで、好きな人の熱量の高さを感じます。
乗り物を撮る多くの人が“写真愛好家”というより、“乗り物の愛好家”で、初心者の時点での情報量や知識が一般人よりズバ抜けています。
基本的に乗り物が運行している時間しかシャッターチャンスが無いため、時間に制限がある点はデメリットです。
光を作り出すテーブルフォト
「室内でも写真を撮りたい!」そう思って始めたジャンルが物撮りです。
構図や光(ライティング)まで、全てを自分で作り込む事が大きな醍醐味です。
構図を作るための背景や小物、光を作るためのライティングやレフ板など、他の被写体と比べると初期投資が掛かります。
機材や小物の設置や撤収をする時間も必要で、写真を楽しむというより、機材のセッティングまで楽しめないと続かないかもしれません。
全て自分でセッティングしているため、奇跡の1枚が撮れることはほぼ無く、当然の1枚が撮れます。
達成感が少なく、自分に合いませんでした。
作った光にモデルを配置するスタジオポートレート
モデルの表情やポージングについてはロケーションポートレートと同様です。
良い点としては、物撮りと同様に自分で光を作り出すので、事前にセッティングする事も可能ですし、太陽が落ちて綺麗な光が消える といった事も起こりません。
問題は撮影環境で、硬い光を出すには光源とモデルを離す必要があるし、メジャーな50〜80mmを使うには被写体から離れる必要があります。
必然的に広いスタジオが必要になるので、趣味の範囲ではほぼ無理だと思います。
どのジャンルでも基本が重要
色々な撮影ジャンルを紹介してきましたが、全てのジャンルにおいて構図や露出、光の読み方など、基本は全く同じです。
基本については、このホームページでもいくつか解説していますが、お金を払ってこの本を買いましょう。
世界的写真家の作品をサンプルに、構図や光の読み方などの基礎知識を解説してくれます。
色々な写真の基本に関する書籍を読みましたが、この本に勝る書籍はありません。