プロカメラマンってフルサイズを使うけどAPS-Cじゃダメなの?

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APS-Cフォーマットのカメラを使っていると、フルサイズへの憧れが出てきます。

APS-Cとフルサイズについて一つの答えを言うなら、「見ている(写真を撮らない)人は、フルサイズとAPS-Cなんて存在すら知らないし、違いももちろん分かりません」

既に自己満足の世界に足を踏み入れています。

この違いが分かるカメラソムリエ(笑)のために、フルサイズに変えようと思う人は居ないと思いますが、フルサイズの一眼は本当に必要なのでしょうか?

APS-Cからフルサイズに移行した僕の現在と、フルサイズの必要性を語りたいと思います。

ちなみにエントリー(α6000)から、ミドルクラス(α7II)に変更です。

サクッと書いたけどけっこう重要。

目次

フルサイズで得た物は満足感のみ

フルサイズの買い替えのきっかけはAPS-Cを使う自分の劣等感でした。

APS-Cのエントリーを持って撮影に行くと、ゴツい一眼レフと自分のAPS-C機を比較してしまい、ナーバスになる事が多々ありました。

これを解決するために購入したカメラがフルサイズの一眼。フルサイズを所持してからは、外で自分と他人のカメラを比べてナーバスになる事は無くなりました

今だにAPS-Cやコンデジを持って出かける時もありますが、「家にフルサイズがある」「あえて低いグレードのカメラを使っている」という、心の余裕は間違いなく生まれました

ただ、これはフルサイズを買ったから解決したのではありません。

カメラの値段が上がって自分が満足しただけです。

金で満足感を得ただけ。

単純な比較は難しい

色々な所で比べられている、「フルサイズは良いぞ」という情報の多くは、エントリークラスとミドルクラスの比較をしています。

エントリークラスとミドルクラスを比べるのは、ボクシングでライト級の選手とミドル級の選手を対戦させるようなものです。

実際に比べても、主に以下の違いなどがあり、ほぼ全てにおいてフルサイズが勝っています

  • 画質
  • AF性能
  • ボタンの多さ
  • ビルドクオリティ

当たり前です。価格も違いますし、何ならレンズも違いますから

比べるなら同じクラス(価格帯)のAPS-Cとフルサイズを比較するべき。

メーカーによる考え方の違い

僕の使っているソニーのミラーレス一眼はエントリークラスはAPS-Cのα6000シリーズ。

ミドルクラスのAPS-Cもありますが、ソニーは基本的にはフルサイズであるα7シリーズへの移行を促しています

APS-Cから良いカメラへ移行しようとすると、基本的にフルサイズへの路線変更を強いられます。

ワイはフルサイズを買うしか無かったんや…

フルサイズをラインナップするメーカー

  • キヤノン
  • ニコン
  • ソニー
  • パナソニック

上記のメーカーはAPS-C(MFT:マイクロフォーサーズ含む)とフルサイズを展開するメーカーです。

単純な話ですが、フルサイズを展開しているメーカーは「フルサイズの画質が必要」だと考えています。

ソニーと同様にエントリー向けはAPS-C、ミドルクラス以降はフルサイズが基本で、写真にハマった人にはフルサイズへの移行を促しています。

APS-Cのみラインナップするメーカー

APS-Cのみを展開する富士フイルムや、MFTのみを展開するオリンパスは、センサーサイズに大きな違いを見い出していないメーカーです。

富士フイルムはフラグシップ機は「フルサイズに匹敵する画質」と謳っていますし、オリンパスもMFT規格をスタートした時から画質は十分だと発信しています。

僕自身、フルサイズは物理的なメリットが大きいため「流石にそれは無理やろ」と思っている部分はあります。しかし実際に写真に使う分において、フルサイズとAPS-Cの違いが分かる人は本当に少ないと思います。

マイクロフォーサーズで撮りました。

メーカーは利益を出す事が重要

ユーザーにとってカメラの画質は重要なポイントではありますが、メーカーは収入を得るためにカメラを販売しているという事を忘れてはいけません。

フルサイズを展開するメーカーは、「APS-Cでデビューして、楽しければフルサイズをどうぞ」という方針。フルサイズのレンズ移行も踏まえて、当たればガッツリと稼げるのでしょう。

フルサイズを展開しないメーカーは、「エントリーからフラグシップまで、全て同じレンズが使えます」といった方針を取っており、レンズ資産が無駄にならないユーザーの財布に優しい選択肢です。

ソニーが「ZV-1(1インチ)→ZV-E10(APS-C)→ZV-E1(フルサイズ)」の順番でVlogCamを販売した流れは見事でした。

プロカメラマンがフルサイズを使う理由

プロカメラマンが高画質なカメラを使うのは当然です。

では何故フルサイズなのでしょう?

富士フイルムのGFXシリーズやハッセルブラッドなど、フルサイズよりも高画質なカメラは存在しているのです。

それに画質の良し悪しの大半が決まるイメージセンサーはソニーが世界シェアナンバーワンであり、開発能力や画質もトップクラスであるはずです。

それなのにプロカメラマンの多くがキヤノンやニコンを使うのは何故でしょう?

これは僕の推測ですが、その答えはメーカーが培ってきた故障率の少なさや、写真と向き合ってきた期間や実績にあるのではないでしょうか。

つまり、プロカメラマンは高画質だからフルサイズを選んでいるのではありません

信頼と実績のあるメーカーの高画質なカメラがフルサイズなのです。

ソニーを使う写真家が少ない理由はココだよね。

キヤノンやニコンが中判を作ったら、プロカメラマンのスタンダードは中判になると思います。

APS-Cのソレってデメリットなの?

そもそもセンサーサイズが小さい事はそんなに悪い事なのでしょうか?

センサーサイズが異なると、以下のような物理的に違う部分が写真の描写として出てきます

  • ボケない
  • 望遠で有利
  • 拡大倍率が高い

これらをメリットと捉えられるか否かが大きなポイントとなってきます。

ボケない

一眼の魅力であるボケですが、フルサイズとAPS-Cを比較した場合、約1段の違い。APS-CとMFTでは更に1段の違いだと言われています。

フルサイズを買いたいあなたが何を撮りたいのか、僕には分かりませんが、「副題がボケすぎる」「ピント面が薄すぎる」といったボケる事に対するデメリットというのは間違いなく存在します。

絞れば解決する問題ではありません。シャッタースピードとISO感度が上がります。

望遠、マクロで有利

ここに関してあまり解説する必要は無いと思いますが、APS-Cはフルサイズよりイメージセンサーが小さい事からトリミングしたように写ります

フルサイズにもAPS-Cクロップなどの機能はありますが、こちらは画素数を大幅に失うので、デメリットしかありません。

マクロに関しても同じで、1.5倍に拡大されるので、等倍マクロでも1.5倍マクロのように写す事が可能です。

収差が出にくい

APS-Cとフルサイズを両方展開しているメーカーに限ってですが、APS-Cのカメラにフルサイズのレンズを取り付ける事が可能です。

そうした場合、フルサイズ分の画角が失われるため、一見損をしているように思いがちです。

しかし、レンズの周辺は収差が出たり、描写が甘くなったりする場所であり、これを避けるために絞る事もよくあります。

APS-Cのカメラを使えば、この収差を物理的に回避する事ができます。

俺はセンサーが小さいカメラが欲しい!

色々なカメラを触ってきて、結局はセンサーサイズではなく、値段なのだと気づいた部分があります。

最初に自分が持っていた劣等感を突き詰めると、エントリークラス特有の軽さやコンパクトさでした。

この劣等感をフルサイズに変更する事で解消したわけですが、今思ってみるとα6600等のAPS-Cのミドルクラスでも良かったように思っています。(当時はまだ出てなかったかも)

この写真集の表紙の写真はソニーのエントリーモデルであるα6000で撮影したそうです。

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