カメラマンとしては無名な僕ですが、この度縁あって、写真の展示をすることになりました。
しっかりしたアートギャラリーというより、「好きに使っていいよ」という感じの展示スペースで、僕の展示の前には、チェンソーアートが飾られていました。
普段は名刺とは無縁の生活をしているのですが、チェンソーアートの作品の近くにはアーティストの名刺が置かれており、
「展示する以上、お問い合わせやメッセージフォームのようなものがあった方がいいかも」と思い、名刺を作成することにしました。
飾れる名刺を作りたい!
今回、展示する会場は公園のビジターセンターで、作品を見てくれるのは、ビジネスでもなく、写真愛好家でもなく、写真に関わりのない一般の方。
あまり商業目的の名刺ではないので、
「名刺入れに片付けられるより、名刺(作品)を小物として部屋に飾って!」という名刺を作りたいと思いました。
名刺を飾るには、名刺スタンドという道具もあるようですが、僕は二つ折りの名刺で作成し、自立させよう考えました。
写真と名刺はアスペクト比が異なる
一般的な名刺のサイズは55×91。
1:1.5(2:3)という写真の主なアスペクト比に対し、名刺は1:1.65(55:91)になるため、写真よりやや横長になります。
テレビに近い横長のアスペクト比です。
名刺がLサイズより小さい事もあって、とにかく大きく写真を見せたかったので、僕は上下をトリミングしましたが、余白を残してアスペクト比を優先し、余白に文字を入れるレイアウトもアリだと思います。
余白を活かすなら3:4のフォーサーズ系の方が使いやすいかも
ラクスルで名刺をプリント
僕は写真は撮りますが、家にプリンターは持たない派閥の人間です。
それは一般的なサイズならカメラのキタムラのプリントがコスパが良いし、規模が大きい場合は富士フイルムのラボに依頼するからです。
「名刺はどこで印刷するべきか?」と考えた末に、印刷大手のラクスルに決めました。
サンプルの発送が無料
名刺の紙にはいくつか種類があるようで、ラクスルのホームページでも紙について解説してありますが、ラクスルでは名刺のサンプルを無料で送ってくれます。
自分の目でチェックした方が間違いないので、とりあえずサンプルを送ってもらいました。
ちなみにサンプルを送ったからといって化粧品のような催促の電話やメールは来ません。
試し刷りはできない
写真やイラストに適した紙は光沢紙で、サンプルを見る前はこの光沢紙を使う予定でした。
しかし、実際に届いたサンプルを見ると、紙の種類によって少し白の色が違う事に気がつきました。
試し刷りができれば良かったのですが、ラクスルでは試し刷りは行っていません。
予定通り光沢紙を選びましたが、
「仕上がりに影響が出なければいいけど」というモヤモヤが残りました。
作成はフォトショップがおすすめ
ラクスルには一般的なデザインソフトの印刷データの作成方法が掲載されています。
その中には写真愛好家お馴染みのPhotoshopを使ったの作成方法も掲載してあったので、今回はPhotoshopを使って作成しました。
フォントサイズ、レイヤーの統合など、色々な注意点があります。
フォトショップでのデータ作成方法 | ご利用ガイド|印刷のラクスル
Adobe Photoshopの契約についてはコチラ。
カンバスサイズと断裁ズレ
Photoshopに特に助けてもらったポイントが断裁ズレの対応です。
今回のような大量の印刷を行う場合、断裁ズレという紙を重ねた事によってカット位置がズレてしまう現象がおこります。
そこで、断裁ズレを考慮したプリントデータを作成する必要があります。
Photoshopなら断裁ズレの幅をガイドで表示できるので、安心して画像データやテキストの配置ができます。
ガイドで断裁ズレの幅を表示
断裁ズレは大きい場合で1〜2mmほど起こるそうで、余裕を持って上下左右に3mmほどカンバスサイズをプラスするのが一般的です。
もう一つ、断裁ズレは内側にも発生するため、内側3mmは文字などの情報を配置しない事が推奨されています。
こんなカンバスとガイドが必要です
- 名刺サイズより縦横6mm(上下左右3mm)ほど大きいカンバスサイズ
- 上下左右3mmにガイド(実際の名刺の大きさ)
- これより外は断裁ズレで入る可能性あり
- 上下左右6mmにガイド
- これより外は断裁ズレで切れる可能性あり
完成した名刺がこちら
さすがに写真プリント専門店にはクオリティは劣りますが、一般的な家庭用プリンターより圧倒的に高画質で、大手印刷会社の実力を肌で感じました。
また、気になっていた名刺のオレンジの傾きはサンプルより軽減されており、仕上がりにも満足しています。
完成した名刺は、表面の表と裏に写真を1点ずつ。内面の半分に自分の名前とポートフォリオサイトのQRコードと、残りの半分に作品を更にもう1点。
表に2枚、内側に1枚。合計3枚の作品を名刺に載せ、反対に折り曲げる事で、内側の作品も飾れるようにしました。
作成した名刺のテンプレート
僕が今回作成した名刺のPhotoshopのテンプレートを用意したので、良ければ参考にどうぞ。
ラクスルでの作成方法の注意点を反映
- 二つ折り名刺
- プロフィール+写真
- 断裁ズレガイド、折り筋ガイド有り
- 文字サイズテンプレート
- カラーモードCMYK
Photoshopのライセンスが必要です。ダウンロードしてお使いください。
ポストカードサイズでも良かったかも?
発注した後に、「もっと大きい名刺にしても良かったな」と思いました。
例えばポストカード(KG判)にすれば、アスペクト比も写真とほぼ同じですし、作品も大きくできるので見応えがあります。
作品の隅に小さく名前とQRコードを入れれば、作品の完成度にもほぼ影響は無いでしょう。
手に取りやすさを考えても、名刺はビジネス色が出てしまうので、一般的に浸透しているポストカードの方が持って帰ってもらいやすいと思いました。
「名刺は自立しないから、スタンドが必要…それなら二つ折り名刺だ!!」と発明のように舞い上がって二つ折りの名刺で作成しましたが、ポストカードのスタンドなら100円ショップなどでも安価で手に入りますからね。
両面に印刷してリバーシブルにするも良し、片面に印刷して実際にポストカードとして使ってもらうも良し。
ちなみに100枚用意した名刺は全て無くなりました。満足満足。
ポストカードサイズの印刷もできます