カメラが写し出した写真は、本当にあなたが見た景色ですか?
レンズを通しただけの写真は、あなたが現場で感じた「美しさ」や「空気感」を再現しきれていないことがあります。
RAW現像は、その時、目の前にあった光を正しく呼び戻し、納得のいく一枚に整える工程です。
そんな、誠実な仕上げのあり方を整理しました。
01. 「撮る」から「整える」へ
写真に手を加えることに、どこか後ろめたさを感じてはいませんか。
RAW現像は、写真を別の何かに作り変えたり、派手な色を作ったりするための作業ではありません。
自分の目で見た光景に近づけ、写真に説得力を持たせるための大切な工程です。
なぜあえて手間をかけて現像するのか、その本質的な理由を整理します。

写真編集は「自己表現」ではない
過度な演出は時に、写真が本来持っている「真実」を損なうことになりかねません。
RAW現像は、自分というフィルターを厚く塗り重ねる作業ではなく、あの日、目の前にあった光を正しく呼び戻すための「後片付け」のようなもの。
どこまでが誠実な再現で、どこからが「自分」が出過ぎた演出なのか。
僕が大切にしている境界線について整理しました。

02. 最適なRAW現像ソフトの選び方
どのソフトを使っても、露出を変え、コントラストを整えるという基本は変わりません。
正直、ソフトなんてどれでもいい、と僕は思っています。
大切なのは「どの道具を使うか」より、「早くその道具を自分の手足のように馴染ませること」。
だからこそ、高価な機能に惑わされず、自分が最もストレスなく向き合えるものを選んでほしい。
そんな思いで、それぞれの特徴を整理しました。

僕が「Adobeフォトプラン」を使い続ける理由
「ソフトなんてどれでもいい」と思っている僕がLightroomを選ぶのは、現像・レタッチ・公開までの「制作環境」が一本の線で繋がっているからです。
Photoshopという最強の砦があり、自分の作品集(Adobe Portfolio)という出口までがセットになっている。
「便利だから」というより、僕の制作フローにおいてこれ以上に合理的で迷いのないインフラが、他に見当たらないのです。

03. 迷いをなくす「編集の手順」
現像ソフトにある無数のパラメーターを、なんとなく動かすのは卒業しましょう。
効率的かつ論理的な手順を知ることで、最短距離で自分のイメージを具現化できるようになります。
正しい手順を知ることは、余計な迷いを捨て、もっと目の前の写真と深く向き合うための「時間」を手に入れることと同義です。

「規律」のある写真編集をする
編集中に「あっちもいい」「こっちもいい」と行ったり来たりしていませんか?
写真編集は「正解」を探す作業ではなく、自分で感じたものをそのままに表現する作業です。
綺麗な写真を追い求めるあまり、最も大切な「自分の見た景色」を置き去りにしてはいけません。

思考、技術、そして表現。
すべてが重なったとき、写真は単なる記録を超えて、あなただけの「答え」になります。
僕がこれまでの歩みの中で、確信を持って切り取った「答え」です。
