カメラを使っていると、「RAWで撮るといいらしい」「JPEGよりキレイに仕上がる」といった話を耳にすることがあります。しかし実際のところ、RAWとJPEGの違いがよく分からず、「自分にはどっちが合っているんだろう?」と迷う人も多いのではないでしょうか。
特に初心者のうちは、カメラの設定も難しく感じるため、「RAWって何?」「JPEGと何が違うの?」と疑問に思うのは自然なことです。
結論から言うと、ほとんどの初心者はJPEGで問題ありません。
Jpegは撮影時にカメラが自動で色やコントラストを整えた「完成された写真」で、すぐにSNSやプリントに使えます。
一方で、RAWデータはカメラが記録したデータをそのまま保存した「素材」です。まだ写真ではありません。
例えるなら、RAWデータは“生肉”、Jpegは“ハンバーグ”です。
生肉はまだ調理されていない状態で、自由に味付けして好きな料理に仕上げられます。
ハンバーグはすでに完成された料理で、そのまま楽しむには美味しいですが、大幅な味付けの変更は難しいですよね。
つまり、RAWデータはこれから調理をする食材のような立ち位置にあります。
俺焼き加減も思いのままや!
RAWデータとJpegの基本比較
では、RAWとJPEGの違いを具体的に理解するために、基本比較を見ていきましょう。
下の表では、それぞれの特徴やメリット・デメリットを分かりやすく整理しています。
| RAWデータ | Jpeg | |
|---|---|---|
| bit数 | 14bit(カメラによる) | 8bit |
| 汎用性 | 専用ソフトが必要 | ほとんどのデバイスで観覧可 |
| 圧縮加工 | 未(大容量) | 済み(小容量) |
この表からもわかるように、RAWデータには以下のメリットとデメリットがあります。
RAWデータのメリット
- 情報量が豊富:14bitのデータ記録により、色や明るさの細かな調整が可能です。
- 編集の自由度が高い:ホワイトバランスや露出補正など、細かな編集が画質を劣化させずに行えます。
- クオリティの高い写真を作成:特定の雰囲気やトーンを再現しやすく、作品性の高い仕上がりが期待できます。
RAWデータのデメリット
- ファイルサイズが大きい:ストレージを圧迫しやすく、追加のHDD等が必要です。
- 専用ソフトが必要:一般的なデバイスではそのまま観覧できないため、RAW現像ソフトが必須です。
俺「無加工の写真を見せて」っていう人がいるけど、無加工の写真(RAWデータ)って簡単に見れる物ではないのよ。
RAWデータは「編集前」の生肉

RAWデータの魅力は、その圧倒的な情報量です。この情報量の豊かさが、編集時の幅広い自由度を実現しています。
bit数が写真編集に与える影響
bitとは、デジタル情報の最小単位で、1bitは「0」と「1」の2つの状態を表します。これが2bitになると「00」「01」「10」「11」の4つの状態を持つように倍々に増えていきます。
例えばJpegの8bitにおいては、RGBそれぞれ256段階で約1677万色の情報が記録可能です。
一方で14bitのRAWデータになると、RGBそれぞれ16384段階、つまり4兆を超える色の情報の記録が可能情がが記録なのです。
この膨大なデータ量のおかげで、RAWデータでは露出や色合いを細かく調整しても画質が劣化しません。
俺Jpegが1677万色。14bitのRAWデータが4兆色。つまり…何倍だ?
一方で、Jpegは編集可能な範囲に限度があり、大きな変更を加えると画質が劣化しやすいです。
こうした特性から、RAWデータは「生肉」に例えられるのです。生肉は煮る・焼く・蒸すなど、自由に調理方法を選べます。
Jpegは「観覧・保存」に最適化されたハンバーグ
Jpegはすでに加工済みの「ハンバーグ」です。美味しく仕上がっているため、そのまま楽しむには便利ですが、大幅な味付け変更(編集)は難しいです。Jpegはファイルサイズが小さく、汎用性が高いため、観覧や保存、共有に最適です。たとえば、SNSへの投稿やメールに添付する際には、ファイルサイズの小ささと互換性の高さから非常に便利です。
また、1677万色を表現できるJpegは、RAWデータに比べると劣っているように見えますが、実用上は十分な色域を持っています。
Jpeg編集でもここまでいけました。

RAW現像は「調理」の楽しみ
RAWデータを最大限に活かすには、専用のRAW現像ソフトが必要です。これらのソフトを使うことで、RAWデータの潜在能力を引き出し、自分好みの色合いや明るさに調整できます。言い換えれば、RAW現像は「調理」にあたります。
RAW現像で可能な具体的な編集例
- ホワイトバランスの調整:写真全体の色味を温かくしたり冷たくしたりできます。
- 露出や明るさの補正:暗すぎる写真を明るくしたり、逆光の写真を自然に修正できます。
- シャープネスやノイズ除去の調整:細部を際立たせたり、ざらついた部分を滑らかにできます。
- 色相や彩度の微調整:色の濃さや明るさを調整し、印象的な写真に仕上げます。
これらの機能を活用すれば、理想の一枚を仕上げることができます。例えば、夕焼けの写真で空をよりドラマチックな色合いにしたり、ポートレート写真で肌のトーンを滑らかにするなど、RAW現像を通じて写真に命を吹き込むことができます。
用途に応じた使い分けを
RAWデータは自由度の高い「生肉」であり、RAW現像はその「調理」、そしてJpegは完成された「ハンバーグ」です。例えば、RAWデータを使えば画質を維持しながら、ホワイトバランスや露出の微調整、ノイズ除去など多彩な編集が可能です。
一方で、Jpegはそのまますぐにシェアしたり、SNSの投稿したりするのに適した形式です。
どちらが優れているというわけではなく、自分の撮影スタイルに合わせることが重要です。
RAW現像に興味を持った方は、この記事をチェックしてください。







