写真が上手になりたいならSNSをするべきではない

当ページのリンクには広告が含まれています。

写真を始めたばかりの人は、ほぼ例外なく “SNSへの投稿” からスタートします。

  • 自分の写真を見てもらえる
  • 反応が返ってくる
  • 仲間ができる

一見メリットだらけに見えるSNSですが、もしあなたが「本気で写真を上達させたい」と考えているのなら、SNSとは少し距離を置くべきだと思っています。

なぜなら、SNSは便利で楽しい場所でありながら、知らないうちに写真の基準や価値観を歪めてしまう恐れがあるからです。

そして僕自身、その罠に思いきりハマっていました。

どれだけ光を読み、構図を組み、色を詰めても伸びない。その一方で、誰が撮っても同じ “鉄板観光地の鉄板カット” が伸びる。

そんな状況が続いたある日、僕は気づきました。

「SNSって写真のことわかってる人いなくね?」

どれだけ意図を込めようが、作り込もうが、結局“パッと見で理解できる刺激”だけが評価される。届けたい表現は伝わらず、理解される前にスクロールされて消える。

ここでようやく悟りました。

SNSの数字は写真の評価ではなく、ただの“刺激への反射”にすぎない。

SNSの浅はかさに気付き、距離を置いた途端に「自分のための写真」が一気に楽しくなりました。

この記事では、SNSが写真上達を妨げる理由と、あなた本来の“楽しい写真”を取り戻す方法をまとめます。

目次

SNSの「いいね」は写真の評価ではない

SNSの代表的な評価指標である「いいね」。

しかし、この数字は驚くほど浅い基準で動いており、写真の価値とはほぼ関係がありません。

いいねを左右する写真以外の要素

いいねの数は写真の良し悪しではなく、多くは写真以外の条件で決まります。

  • 投稿する時間
  • フォロワー数
  • 投稿頻度
  • トレンド性
  • ハッシュタグの強さ
  • 投稿者本人の人気
  • 過去の交流
  • 写真と無関係な文脈

つまり、良い写真が伸びるわけではなく、SNSの仕組みに沿った写真が伸びるだけです。

その偏りが続くと、

  • 伸びた=良い写真
  • 伸びない=悪い写真

と勘違いしてしまい、自分の成長を見誤る原因になります。

SNSの小細工を勉強する暇があったら、写真の勉強をしろ。

いいねの上下で写真が楽しくなくなる

SNSを中心に写真を撮り始めると、次第にこうなります。

  • 毎回投稿後に数字が気になる
  • いいねが少なくて落ち込む
  • 昔より伸びないと焦る
  • 数字のために写真が変質する
  • 何を撮りたいのかわからなくなる
  • 写真を撮らなくなる

SNSでの伸びは写真の才能ではなく、SNSという仕組みが数字でユーザーを振り回す前提で作られているからです。

本来の楽しさとはまったく関係のない数字に縛られて、情熱が削られていきます。

SNSの伸びを気にするのはインフルエンサー。写真好きはそんな事をする必要はない。

SNSの大半は「写真を撮らない人」

SNSのユーザーの多くは 写真を撮らない人 です。
写真を知らない人が写真を評価している状態なので、技術や意図が伝わらないのは当然です。

ニュース番組の芸能人コメンテーターくらいの浅い知識しかもっていません。

評価が「好き」に偏る

写真を知らない人の評価軸はとても単純です。

  • 好き
  • かわいい、綺麗、かっこいい
  • すごい
  • エモい
  • バズっている

これらは技術的な評価ではなく、すべて感情反応にすぎません。 そのため、“わかりやすい写真”が伸びる傾向があります。

  • 夕日・夜景・星空
  • 海・花
  • 動物
  • キャッチーな被写体

どんなに良い写真でも、SNSでは「かわいい女の子の自撮り」が最強。

刺激に反応する仕組みが「写真の価値」を歪める

SNSでは1枚の写真が見られる時間は僅か数秒と言われています。

短い時間で深い表現を理解する余裕はなく、刺激に反応した投稿だけが伸びていきます。

刺激優先の構造

  • 派手な色
  • ハイコントラスト
  • わかりやすい構図

これは写真への理解ではなく、単なる視覚刺激への反応です。
その結果、SNSで伸びる写真ほど、上達とは逆方向へ進みやすくなります。

「良い写真」ではなく「目につきやすい写真」が伸びるのがSNSです。

刺激が強い写真になる編集項目について

誤った評価が表現をねじ曲げる

数字は“正義”のように見えるため、多数派の浅い評価が自分の価値観を押し流していきます

  • 本当に撮りたい世界観より
  • 数字が伸びる方向へ最適化され
  • 自分の表現がどんどん薄くなる

写真は本来自由で個人的な表現なのに、他人の指標に縛られ始めた瞬間、楽しさが急激に減ってしまいます。

バズっている他人の写真を見たときも同じです。

派手で刺激の強い写真を見ると、「ああ、こういう写真を撮ればいいんだ」と無意識に思い込んでしまいます

繰り返しになりますが、SNSで評価されるのは”技術”ではなく“刺激の強さ”です。

そのため、まるで「これが写真表現の正解だ」と押し付けられているように感じてしまい、知らないうちに自分の表現まで同じ方向へ引っ張られてしまいます。

写真の上達に必要なのは「とにかく楽しむこと」

写真が上達する方法はとてもシンプルで、「とにかく楽く撮ること」 です。

健全な写真の楽しさには次の3つが欠かせません。

  • 正しい評価を受ける環境
  • 目的に沿った撮影の積み重ね
  • 自分の表現と向き合う時間

しかしSNSはこれらを邪魔します。

初心者の頃は、“評価を受ける環境”がほぼ存在しません。だからこそ評価を受ける環境としてSNSを求めがちです。

しかしSNSを使った途端に、数字に踊らされ、写真を知らない人の価値観が自分のオリジナリティを捻じ曲げてきます。

だからこそ、本気で上達したいならSNSから距離を置くべきなのです。

写真とは、他人の評価ではなく、自分の感性で育てていくものです。

「他人に認められることが大切」という考え方自体は悪くありません。

ただしこれには前提があります。正しくは、「自分の感性で撮った写真が他人に認められること」に意味があるのです。

SNSの数字を気にする自分を脇に置き、本当の自分が“撮りたい”と思う世界を追ってみてください。

写真の正しい学び方。ネットでも学べるけど、それは危険かも?

目次