最近ドライブレコーダーのCMでHDRという単語を耳にします。
HDRとはHigh Dynamic Rage(ハイダイナミックレンジ)の略です。
そのまま日本語に略すと「広い表現の幅」という意味です。
ダイナミックには色々な意味があるので、正確にはちょっと違うかもしれません。
この時点で答えが出ているようにも見えますが、画像を交えて解説していきます。
HDRとは
ハイダイナミックレンジとは前述した通り、「広い表現の幅」です。
ドライブレコーダーで耳にするHDRですが、一眼カメラでもHDRは有名な機能の一つです。
まずは一眼カメラで撮影した画像でHDRについて解説していきます。
下の2枚の写真はHDRがOFF
下の写真はHDRがON
もう分かりましたか?
HDRがOFFの1枚目の写真は前景に明るさが合っていて、2番目の写真は遠景に明るさが合っています。
それに対しHDRがONの写真は全体に明るさが合っています。
このように明るい場所から、暗い場所までを同時に記録できるカメラの事を「ダイナミックレンジが広い」と言います。
ダイナミックレンジは一眼カメラでもドライブレコーダーにおいても内部のイメージセンサーに依存します。
「イメージセンサーの性能が良い=質の良いHDRで記録できる」という事です。
イメージセンサーは画像を作り出す部品です。
「電子の目」とも言われていて、カメラ全般にはすべてイメージセンサーが搭載されています。
この記事で紹介しているドライブレコーダーはもちろん、このブログのメイン記事である一眼カメラ、一番身近な機器でもあるスマートフォンのカメラにも搭載されています。
写真の表現において、HDRはONでもOFFでも正解はありません。
例えばこんなシルエットの写真。
この写真はHDRをOFFで撮っていますが、この写真でHDRをONにするとシルエットがただの人物になってしまい、面白みに欠ける写真になってしまいます。
ただ、ダイナミックレンジは広いに越したことはありません。
ダイナミックレンジが広いカメラは設定でダイナミックレンジを狭くして、上の写真のような撮影ができますが、ダイナミックレンジが狭いカメラではHDRの撮影は難しいです。
HDRの必要性
少し脱線しましたが、本題に戻りましょう。
ドライブレコーダーにおいては、HDRの機能は必須レベルです。
何故かというと、明暗差が原因で記録されていない部分があっては、ドライブレコーダーとして意味がないから。
よくあるケースとしては、トンネルの出入り口や、朝や夕方の逆光の時間帯。
逆光で「ドライブレコーダーで綺麗な夕焼けが撮れたけど、事故をした相手車両の情報は黒いシルエットで何も見えない」
そうなってはドライブレコーダーの意味が無いですよね。
だからこそダイナミックレンジが広いドライブレコーダーが必要になってきます。
ドライブレコーダーは機械なので、明るさを調節できても、どこに明るさを合わせれば良いのか分かりません。
だからこそダイナミックレンジの広いドライブレコーダーでHDR撮影をして、記録できていない場所が無いようにする必要があります。
ダイナミックレンジの広いドライブレコーダーの探し方
もちろん「HDR対応」と書かれたドライブレコーダーを買いましょう。
ただ、色々なメーカーのドライブレコーダーを探してみたのですが、HDR対応のドライブレコーダーは多くあるものの、ダイナミックレンジの広さを表示している製品はありませんでした。
一眼カメラの世界でもメーカーにバラつきがあるくらい光を数値にするのは難しいので、仕方がないですかね。
ダイナミックレンジは店頭での確認も難しいので、「HDR対応」と書かれたドライブレコーダーを選ぶだけで精一杯になるかもしれません。
まとめ
記事を書いておきながら、残念な終わり方になってしまって申し訳ありません。
代わりと言ってはなんですが、最後に明日自慢したくなる豆知識を紹介しておきます。
人の目はダイナミックレンジが広い、いわゆるHRDです。
見ている風景から、明るい所を暗く、暗い所を明るく見る事ができます。
逆にカメラのようにダイナミックレンジを狭める事はできません。
シルエットの写真を見て幻想的に見えるのは、普段見えないはずの景色が写真に残っているからかもしれませんね。