一眼カメラを買うと絶対に撮ってみたくなるボケのある写真。
ボケた写真を撮るには知識が無くてもできる というほど甘くはありません。
ここではボケた写真を撮る方法を紹介します。
ピントと被写界深度
ピントが合わず、ぼやけたり滲んだりした所をボケといいます。
ボケた写真はメインである被写体を際立たせ、主題と副題を明確にする役割があります。
ピントが合う範囲の事を被写界深度と呼び、ピントが合う範囲(距離)が狭い事を被写界深度が浅い。ピントが合う範囲が広い事を被写界深度が深いというように使います。
被写界深度の浅い写真はピント面の前後がボケ、手前のボケを前ボケ、後ろのボケを後ボケと呼びます。
被写界深度はピントが合って見える範囲であり、正確にはピントが合っている部分は1つの面でしかありません。
ボケを作るためには、ピントが合う範囲を狭くする必要があるので、被写界深度を浅くします。
それでは被写界深度を浅くするにはどうすれば良いでしょうか。
被写界深度をコントロールする4つのポイント

浅い(ボケる) | 被写界深度 | 深い(ボケない) |
---|---|---|
望遠 | レンズの焦点距離 | 広角 |
開く | 絞り(F値) | 絞る |
近い | 被写体とカメラの距離 | 遠い |
遠い | 被写体と背景(近景)の距離 | 近い |
一番効果があるのはレンズの焦点距離
ボケた写真を撮るために目が行きがちなのはF値ですが、ズームレンズを望遠にして絞りを開くだけでもしっかりボケます。
もちろん上の表にある「被写体とカメラの距離」と「被写体と背景の距離」も重要です。
F値も重要な事に間違いはありませんが、知識さえあればボケる写真を撮る事も可能です。
イメージセンサーによってもボケは変わる
変更する事が難しいのでポイントには書きませんでしたが、イメージセンサー(撮像素子、以下センサー)が小さいとボケにくくなります。
これはセンサーとレンズの距離が関係していて、センサーが小さいカメラでは、センサーが大きいカメラと同等の画角を得るためにセンサーとレンズの距離が近くなり広角レンズに近い状態となります。
広角レンズはボケにくいので、結果的にイメージセンサーが小さいとボケにくくなります。
ボケないパンフォーカスも素敵
カメラを始めるとボケにだけ目が行きがちですが、全てにピントが合っているパンフォーカスも忘れてはいけません。
日本はボケを好み、海外ではパンフォーカスが好まれる傾向にあります。
ちなみにボケという単語は日本発祥で、海外では『Bokeh』と呼びます。
パンフォーカスは主にボケにくい広角レンズを用いて、ダイナミックな風景を写す際に使います。
パンフォーカスを作るには多くの場合、絞りを絞る(F値を上げる)事が多いです。
目安として大体F8〜11くらいでパンフォーカスになります。
絞りすぎと起きてしまう事が回折という現象です。回折が起こるとピントが甘くなるので、必要以上に絞り込む必要はありません。
絞ると光芒が出る

絞りすぎると回折現象が起きると書きましたが、上の写真のような光芒は絞っているからこそ出るものです。
光芒は太陽光のほかに、工場夜景でもよく使われる技法です。
絞りすぎはNGですが、何より優先するべきは自分が撮りたいイメージです。